事なきを得て

PM10時　屋上に向かった。

ほんとは昨日会って話をしようと思ったのだが、瑞羽が来なかった。今日になって手紙の返事が来ていたので、昨日と同じ時間屋上に向かったのだ。
実は今になってみると今日でよかったと思う。
俺も多少は落ち着いたし。
瑞羽に何を言ったらいいのか解らなかったが、とりあえず面と向かって話すと案外話せるもんだ。
俺があいつに「嫌いだ」って言葉を投げたのは、少なからず俺が悪い。
あいつはあいつなりに考えて、俺の事を思ってのその結果の行動だったからだと思うからな。
それに勝手に苛々して、それをぶつけた俺が悪かったと思う。
別に俺だって「誰彼構わず苛々したら怒鳴る」ってわけではないのだが。
まぁ、とりあえず、話はついたと思う。今はこれしか出来ないし、してやれそうにも無い。
別にほんとに嫌いになった訳ではないのだ。

其の後、部室棟に向かった。
水泳部の部室を探す為だ。
何しろ少ない部員。きっとレイの荷物が殆どだろうと睨んだ。もちろん水着もな。
うろうろしてると巴に声を掛けられた。
正直かなり驚いた。何、れっきとした水泳部員なのだから驚く事はないのだが、是疚しさ故だろう。
巴の胸に大事そうに抱かれているヴァイオリンケース
「嗚呼。俺もケースになりてぇ」
なんて思ったのは当たり前と言うかな。
しかしこれからの楽しみが一つ増えた。

そのあとレイが来て、部室を教えてくれた。
なにやら色々疑われたが、無事潜入成功。
案の定レイの私室と化して居たが、それはそれで好都合であって。
しっかり水着が仕舞ってある所もチェックしといた。
そして二人だけの水泳部ミーティング。
ここには何があったか書くのは辞めとこう。
しかしあんなミーティングだったら俺毎日出ちゃう。
今日もいい日だった・・・。

（うっとり涎を垂らしそうな勢いで、時間が経過していく）