病み上がり

（部屋に戻り、左肩に右手を当て首をこきこき鳴らし、机に向かう）

やっとガッコに顔出すぞっ　と思い、今日開放されたばかりのプールを覗きに行った。
すると晴彦が泳いでいたのだ。まったく元気な奴だ。
夏到来に俺は浮かれて、Tシャツ脱いで一緒に入ったのだ。寒かった。それはそれは寒かったが、そんなのも気にならないくらい気分が高揚した。
そこで小沢柚月って子が泳ぎの練習に来たのだ。中々俺好みなのだが、ばっさりあしらわれた。
まぁ、俺ってば最近こんなのばっかりなのだ。
那智と砂影ってやつもプールに集まってた。
やはりプールは人を虜にするのだ・・・。

体が冷えたので、一度寮に戻り着替えて、コンビニに行こうと公園を通りがかった。
そこには香恋と加藤真司って3年生、それにセンパイがいた。
何やら男3人でプールに行く事になった。まぁ、俺が誘ったような物だが、行きたそうに見えたので良しとしよう。

プールにはまだ人が結構残っていた。名前も知らない奴がいた。今度会ったら聞いておこう。
俺は今度は水には入らなかった。正確には足だけにしておいた。
何人か帰り、センパイも途中で帰っていったが、俺の「寂しい」って言葉はあんまり信じてもらえなかったようだ。
そして加藤がレイを見た事ないって言うから、みせてやった。
あんな良い女を見ないで年を越すのは可哀想だからな。俺ってば男にも優しいのだ。
しかし今度いい女紹介してもらう事に今決めた。
卯月ってやつ、こいつは来て早々に加藤に足ひっぱられて溺れてた。
なんとレイに助け出されたのだ。
なんて手の早いやつだ・・・俺真っ青だぜ。

俺のナイスな「加藤を騙して女の子勧誘させよう作戦」はレイのせいで合えなく失敗した。
男だらけの水泳部なんて思わず首を釣りたくなるような響きだ・・・。
レイも美人だが、やっぱりもう2・3人は欲しい所だな。うむ。

そして・そして瑞羽は寝たのだ。それも俺の頬を引っ張りながら。
あまりに長時間引っ張られていた為、俺の頬の細胞俺の顔を間違えて記憶しそうな勢いだった。
形状記憶ってやつだな。
レイが引っぺがしてくれた。やっぱりあいつ俺に惚れてるな。うんうん。
ま・そんなこんなで瑞羽を寮まで連れて帰る事になった。
ちなみに、そのとき卯月が無礼な事を言ったので、プールに蹴り落としてやった。
何か騒いで消えていったな。あいつもおいしいキャラだな。
瑞羽の方と言えば俺が抱き上げて部屋の前まで連れて行った。
加藤も言っていたが、ほんとにそのうち死ぬぞ。あいつ・・・。

（欠伸一つ。トレーナーを脱いでTシャツに着替えて就寝）